【エンジニア育成トレーニング】ネットワーク技術に関する問題

エンジニア育成トレーニング

この記事の概要

この記事は、エンジニアのスキルアップをはかるため、プロジェクトでよく発生する問題を、問いの形式で学んでいく記事となっています。自分で考え、問題を解き、それから回答例を見るようにすると効果的です。

プロジェクト概要

ドライビングシミュレータシステムに関するA主任、B君の以下の記述を読んで、設問に答えよ。

A社はソフトウェア開発メーカで、様々な企業からソフトウェア開発を請け負っている。A社ではこの度、ドライビングシミュレータの開発を行うこととなった。ドライビングシミュレータはGUI部とシミュレータ部に分かれ、シミュレータ部に関してはサードパーティ製の製品を使用することとなった。GUI部とシミュレータ部はTCP/IPにて通信を行う。

ネットワーク構成

B君:GUI部のテストをするにあたって、以下の構成にしました。PC-AにはGUI部、PC-Bにはシミュレータをインストールしようと思います。

A主任:このPC-AとPC-Bの設定では、GUI部とシミュレータ部の通信が成り立たない。通信が成り立つように設定を変更してほしい。

B君:わかりました、変更します。

A主任:あと、シミュレータ部の通信のために、②IPアドレスとサブネットマスク以外に通信に必要な情報を記載してほしい。

B君:わかりました、追記します。

ネットワーク構成の変更検討

A主任:検討してもらったネットワーク構成だが、PC-AとPC-Bを1つにまとめることはできないかな。

B君:GUI部とシミュレータ部を同時に起動したところ、CPU使用率やメモリ使用率には問題ないため可能かと思います。

A主任:では、PC-Bはネットワーク構成から外して、PC-Bにインストールしていたシミュレータ部をPC-Aにインストールする形にしよう。その際に、シミュレータ部は(    あ    )アドレスを使用して通信するように変更しよう。

B君:わかりました。シミュレータ部で使用している待ち受けポート番号が`PC-Aですでに使われているので、使われていない適当なポート番号で設定していいでしょうか。

A主任:一般的に0~1023に関しては(    い    )と呼ばれており使用しないようにしてほしい。例えば、80番は(    う    )のプロトコルで使われている。また、1024番 – 49151番も登録済みポート番号のため、49152番 – (    え    )の間で使われていないポート番号を使用してほしい。

B君:わかりました。49152番 – (    え    )の間で設定するようにします。

シミュレータ部との接続不良

B君:GUI部からシミュレータ部に対して接続ができずエラーになります。pingは通ります。

A主任:①pingではシミュレータ部の接続可否は判断できない。pingは(    あ    )層の(    い    )プロトコルを使用したコマンドである。②シミュレータ部が指定のポート番号で待ち受けているかをまずは確認してほしい。

B君:わかりました。確認したところ指定のポート番号では待ち受けていましたが、IPアドレスの指定が間違っていたため修正しました。しかし、受信時したパケットが想定と違うせいかGUI部で表示する数値がおかしくなっているようです。GUI部とシミュレータ部の通信を確認する方法はあるでしょうか。

A主任:WireSharkなどの(    う    )を行うソフトウェアを使って確認すると良い。

B君:ありがとうございます。確認したところ、③2byte以上の数値データがGUI部で正しく扱えていませんでした。そのため、GUI部のプログラムを修正することで対応できました。

 

問題

問1 [ネットワーク構成]に関して(1)~(2)に答えよ。

(1) A主任が指摘した下線部①に関して指示した設定内容を答えよ。また、この設定変更を行わない場合、GUI部はどこを経由して通信を行うと考えられるか答えよ。

(2) A主任が指摘した、下線部②のIPアドレスとサブネットマスク以外に通信に必要な情報とは何か1つ答えよ。

問2 [ネットワーク構成の変更検討]に関して、(あ)~(え)に関する文言を答えよ。

問3 [シミュレータ部との接続不良]に関して、以下の問に答えよ。

(1) 下線部①で判断できない理由は何か答えよ。

(2) 下線部②でシミュレータ部が指定のポート番号で待ち受けているかをWindowsで確認する方法を答えよ。

(3) 下線部③で2byte以上の数値データが扱えていない原因は何と考えられるか答えよ。

(4) (あ)~(う)に入る文言を答えよ。(い)はアルファベット4文字で答えよ。

回答例

問1

(1) PC-AとPC-Bのサブネットを同一になるように設定する。

設定変更を行わない場合、デフォルトゲートウェイを経由した通信を行う。

(2) ポート番号

問2

(あ) ループバック

(い) ウェルノウンポート番号

(う) HTTP

(え) 65535

問3

(1) pingはネットワーク層のプロトコルであり、シミュレータ部の通信可否を判断するにはトランスポート層以上の確認が必要となるため。

(2) リソースモニターから、ネットワークタブのリッスンポートで確認を行う。

(3) エンディアンの扱いが間違っていることにより、数値データが正しく扱えていない

(4) (あ) ネットワーク (い) ICMP (う) パケットキャプチャ

 

コメント