この記事の内容
この記事では、プロジェクトの見積などを行うにあたり、どの工程がどの程度の割合をしめているのかを、IPAの公開している「ソフトウェア開発データ白書」より参考に解説をしています。
プロジェクトの前提条件や性質により、変化があるものではありますが、おおよその参考にはなるかと思います。使い方として、例えば製作の工数が決まっているのであれば、そこから基本設計や詳細設計などの工程の工数を算出することができます。もちろん、プロジェクトによって、設計書の求められる分量や精度など変わってくるのでそのあたりはチューニングしていく必要があると思います。
さらに予測精度を上げるには、やはり自社開発の計測値を蓄積し、同一のお客様や類似案件の割合などを参考にするのが良いと思います。
工程別工数の割合(新規開発)
新規開発の場合の工程別工数比率になります。箱ひげ図になっています。○になっているのは外れ値になっているので、平均や中央値には反映されません。難しいという人は、箱ひげ図の見方を検索するか、下の表に中央値や平均値が載ってますのでそちらを参考にしてもらえばと思います。
外れ値を除いているので中央値も平均値もおおよそ同じですが、ここでは中央値を参考にざっくりと割合を求める場合は以下の割合になります。(100%に合わせるため多少調整してます)
工程 | 割合 |
基本設計 | 17% |
詳細設計 | 17% |
製作 | 33% |
結合テスト | 20% |
総合テスト | 13% |
工程別工数の割合(改良開発)
大まかにまとめると以下の割合になります。大きく新規開発と外れるということはなさそうです。
工程 | 割合 |
基本設計 | 16% |
詳細設計 | 16% |
製作 | 33% |
結合テスト | 21% |
総合テスト | 14% |
工程別工数の割合(再開発)
こちらも、新規開発と改良開発と大きく差はありませんでした。
工程 | 割合 |
基本設計 | 16% |
詳細設計 | 16% |
製作 | 32% |
結合テスト | 21% |
総合テスト | 15% |
最後に
どの開発種別もおおよそ同じ割合と感じました。大規模な開発になってくると、このあたりの細かい数値も重要になってくるのかと思いますが。見積の一つの材料として役に立つのではないかと思います。
今回は、プロジェクト工程の比率について記載しましたが、以下の内容も解説してますのでご参考ください。
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