【プロジェクト管理】「3点見積り法」で作業見積を行う

マネジメント マネジメント

この記事の内容

この記事では、PMBOK®で取り上げられている「3点見積り法」について解説します。

「3点見積り法」を使用することで、スケジュールの見積り精度を向上させるのに役に立ちます。

また、3点見積り法を行うためのテンプレートExcelファイルをダウンロードできるようにしていますのでご活用ください。

3点見積り法とは

スケジュールの見積り精度を向上させるために使用します。
作業にかかる時間を、「悲観値」、「頻繁値」、「楽観値」とそれぞれ見積を行い、一定の計算を行います。計算では「頻繁値」に4倍の重みづけを行い、「悲観値」と「楽観値」の値も考慮して見積りを行うため、見積精度を上げることができます。

「悲観値」、「頻繁値」、「楽観値」の意味合いは以下の通りです。
悲観値:最悪のシナリオで進んだ場合の日数
頻繁値:最も現実的な流れで進んだ値
楽観値:最良のシナリオで進んだ場合の日数

また、この見積りでは、点だけの見積りだけでなく、一定の範囲に入る確率を見積もることができます。
正規分布に分布すると仮定し、標準偏差を用いて、特定期間で作業が終わる可能性を見積ります。

3点見積り法の例

例えば、以下の様に「機能A」と「機能B」の開発があり、それぞれに「悲観値」、「頻繁値」、「楽観値」を見積ります。

その結果から、全体の値を算出し、正規分布に仮定するとして、ある範囲内に作業が終わる確率を求めます。

この場合、全体の「平均作業日数」が44.7日であり、標準偏差が2.6日なので、±1σした、42.1~47.3の範囲になる可能性は、68%といえます。

3点見積り法_01

参考:正規分布における確率

3点見積り法_02

参考:数式
$$
平均作業日数 = \frac{悲観値 + 4 × 頻繁値 + 楽観値}{6}
$$
$$
分散 = \displaystyle \frac{(悲観値 – 楽観値)^2  }{    6    }
$$

3点見積り法のExcelテンプレート

以下よりダウンロード可能です。

3点見積り法.xlsx

さいごに

今回は、3点見積り法について紹介しました。普段は1点だけで見積を行っている方も、この方法を使うことで「悲観値」や「楽観値」を考慮した見積を行うことができるため、使えるのではないでしょうか。

また、作業時間に関しても点だけで示すのではなく、特定の範囲で終わる可能性を示すことができるので、上司への報告の際にも使用することができ良いかと思いますので、是非ご活用ください。
3点見積り法について記載しましたが、以下の内容も解説してますのでご参考ください。

プロジェクト工程の比率について
この記事の内容 この記事では、プロジェクトの見積などを行うにあたり、どの工程がどの程度の割合をしめているのかを、IPAの公開している「ソフトウェア開発データ白書」より参考に解説をしています。 プロジェクトの前提条件や性質により、変化があるも...
【仕事術】新人プログラマ必見!シンプルな工数見積方法
はじめに 社会人になると、必ず先輩や上司から作業がいつ終わるのか確認されます。 その際に、工数見積の方法を知っていないと信頼を失うことになりかねません。 例えば、以下のようなケースで信頼を落とします 作業工数が答えられない 作業工数の見積根...

コメント